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これから本や論文を読む皆さんへのメッセージ −第2回 論文はとっつきにくい? −

2020.10.08

こんにちは.

前回は書籍,教科書の特徴,気をつけていただきたい点などについて書きました.一次情報としての論文は大切ですよということも述べました.

ただ,歯科衛生士学校に通っている学生,そして現役の歯科衛生士の皆さんはどうしてますか?

 "論文が大切なのはわかったけど,英語が苦手だし,,,","そもそも論文ってどのようにして手に入れるのかわからない"などハードルが高いと思っていないでしょうか.

そうです.少しハードルは高いです.いろいろと知っておかないと読んでもよくわかりません.その分野の基礎知識,英語力,統計学,論文のお作法(また次回に書きます)などなどたくさん勉強することがあります.

では,英語ができないと論文は読めないのでしょうか?そんなことはありません.英語が苦手で外人さん(これも死後でしょうか)と合うと緊張するような先生でも,英語論文をたくさん発表している方はたくさんおられます.論文を読むためのちょっとしたテクニックがあれば,読んで理解し,それを一次情報として自分の中に蓄積できます.本やインターネットなどでちらっと調べて知った知識と比べると大きな差があります.

 では,一次情報である論文にはどのようなものがあるのでしょうか.まず,日本の学会から発表された日本語で書かれた論文も数多く存在します.例えば "電動歯ブラシってすごく歯がつるつるになって気持ちがいいから私はいつも使っています.〇〇さん,電動歯ブラシって歯にイイんですよね."と患者さんから定番の質問をされるとします.

皆さんどのように答えていますか? ここでこの答えに回答するための情報整理をしてみましょう.ざっと以下のようなことが挙げられるのではないでしょうか?

  1. 歯によいとはカリエスの予防にいいのか?それとも歯周病予防?,もしくは口臭予防について聞かれている?
  2. 電動歯ブラシと普通の歯ブラシについての一般的データを知っている.(ここでいうデータとはプラークの除去率,歯肉炎の抑制効果,カリエスの予防効果など)
  3. 電動歯ブラシの動き方の違い(回転式,音波式など),先端の交換式ブラシのバリエーションと特徴,重さ,持ち方,当て方
  4. 歯ブラシについての知識(ヘッドの形,大きさ,植毛の違い(毛の素材,形,密度,硬さ,長さ)
  5. その患者さんの特徴(性格,歯並び,補綴物の多さ,器用さなど)
  6. 自分の臨床的な実感や好み

さあ,論文的な一次情報が必要な部分はどこでしょうか

まず2ですね.(ホンモノの歯科衛生士になるためには3.4の一次情報にも触れて欲しいですが)これを知るためにはの情報ソースとして教科書や書籍も役にたちますが,深く知りたければ論文検索を行って最新の情報をアップデートしておく必要があります.

今回は電動と通常歯ブラシどちらがいいかを調べたいので,検索サイト(Pubmedという媒体が一般的によく使用される https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed )で論文を"今"調べてみました.

検索ワードは" Powered toothbrush"にしてみましょう.ここまでは簡単ですよね.そこでいろいろと論文のタイトルが出てきますが,ここではコクランシステマティックレビューという,いままでの多くの論文を質の高いものだけピックアップしてまとめをしてくれているものを選択してみました.

その理由と内容などは次回をお楽しみに.




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大月 基弘,歯学博士

ヨーロッパ歯周病学会 (European Federation of Periodontology) 認定歯周病/インプラント専門医 

日本歯周病学会専門医,日本臨床歯周病学会認定医,歯周インプラント認定医