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歯科医師が考えるコロナの感染

2020.05.05

こんにちは。
歯周病専門医の大月です。


世界中にパンデミックを起こした新型コロナウイルス、このような急激な感染の広がりを誰が予想したでしょうか。

今年の新年は皆様穏やかに過ごしていたでしょうし、世界中がパニックになることも誰一人想像していなかったことでしょう。

WHOでさえ、中国の武漢から感染が広まったと考えられるこのウイルスが"これは世界的なパンデミックである"と認めるまでに相当の議論の時間があった様子で、発表が遅れた感があります。



WHOによると、3月12日の時点で感染は114の国と地域に広がり、感染者は11万8381人、死者は4292人にのぼっていました。

またイタリア、イラン、韓国では特に急増していました。

本日4月22日(コラム記載時)、2,623,499人が感染し、少なくとも183,760人が死亡し、212の国、地域にまで蔓延しています。

おろそしい増え方ですね。

しかし日本での広がりかたは幸いまだ他国と比べれば緩やかで、死亡者も少なく抑えられています。
(4月22日現在、日本の感染者累計11946名、死亡者299名)

その理由ははっきりとはわかっていませんが、国民の清潔への意識の高さ、ハグやキスを頻繁にする文化がない、マスク装着率が元々高いなど、いろいろなことが言われています。

ウイルスのタイプが欧米と異なることなども言われていますが、今後も国民一人一人の徹底した感染を広げないという意識が大切になると思います。




私は感染症の専門家ではありませんので、日本の歯科医院で働く歯科医師、歯科衛生士に対して、基本的なメッセージをお送りしたいと思います。

★自分の口腔ケアを徹底する。
歯ブラシ、歯間ブラシ、マウスリンスなどを使用し、口腔内の細菌、ウイルスを減らす。

・出勤時マスクをする つり革や手すりなどなるだけ触れない 
特に、その後顔を触らないようにする

・かぜの症状があれば早めに休む チームと相談して復帰時期を決める
(例:37度以上の熱がでる、強いだるさや息苦しさがあるなど)

・出勤したらすぐにうがいと手洗い、手指のアルコール消毒を行う

・患者の健康状態を受付する前に確認する(例:37度以上の熱がある、強いだるさや息苦しさがある、2週間以内に海外渡航歴があるなど)

・三密を防ぐ(密接、密室、密集)...(患者さんどうし、スタッフどうしの距離にも気をつかう、できる限り換気する、アポイントを調整し、過密スケジュールにしない、不急の治療は延期する)

・エアロゾルが広がらないような工夫をする(口腔外バキュームの使用、吸引力の強い口腔内バキュームで器具のすぐ側を吸引、超音波スケーラーなどは患者さんの頬や口唇でエアロゾルが広がらないように工夫、タービン、超音波スケーラー使用時間を極力減らす、換気をまめに行う)

・高齢者や免疫力が低下する恐れがある全身疾患を有する患者さんの治療をできる限り減らす

・スタンダードプリコーションを徹底する

・PPE(個人防護具)の適切な使用方法を皆で徹底し、自らを守る

・医院の患者、スタッフが触れる部分の消毒をまめに行う

・ユニフォームは頻繁に洗濯し、清潔を保つ

・不急の治療は延期する




私は個人的な見解として、上記のことを徹底しながら必要な診療を行えばいいと思います。

実際、日本で歯科従事者の感染率が高いというデータはありません。

そして我々は、患者さんの健康を口から守っている大切な医療機関なのです。

胸をはって正しい診療をしてください。

一つ参考になるデータを示します。

在宅の高齢者を対象とした実験ですが、6ヶ月間歯科衛生士の口腔ケアを受けた人と受けなかった人で、インフルエンザが流行する時期のインフルエンザ発症率が口腔ケアを受けていた群で大幅に発症率が低かったというデータがあります(日本歯科医学会誌 25号, 奥田彌也ら)。

口腔内を清潔にし、細菌やウイルスを減少させることが誤嚥性肺炎やウイルス性疾患の予防につながるということになります。

コロナウイルスのニュースばかりで暗くならず、こんなときこそ自分は社会に貢献しているとポジティブに明るく生きていただきたいものです。



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大月 基弘,歯学博士
ヨーロッパ歯周病学会 (European Federation of Periodontology) 認定歯周病/インプラント専門医 
日本歯周病学会専門医,日本臨床歯周病学会認定医,歯周インプラント認定医